マイナンバーカードのコピーに透かしを入れる方法
窓口や申込フォームで「マイナンバーカードのコピーをお願いします」と言われると、たいていの人はその場でスマホを取り出し、カードを撮って送ってしまいます。手続きを止めたくないですし、断る理由も思いつかないからです。
ただ、そこで1分だけ手を止めて透かし(ウォーターマーク)を重ねておくと、そのコピーの意味は大きく変わります。「誰に」「何のために」「いつ」渡したものかが画像そのものに書き込まれるので、別の用途へ流用しにくくなるからです。この記事では、その具体的な手順と、提出シーンごとの判断のしかたをまとめます。
なお、そもそも表面と裏面のどちらを出すべきか、番号法上どこまで求められるのかについては マイナンバーカードのコピーを安全に送る方法 に詳しくまとめています。この記事は「出すと決めたあと、何をしてから出すか」に絞って書きます。
なぜコピーに透かしが必要なのか
理由は単純で、一度渡したコピーは取り戻せないからです。相手のメールボックス、共有フォルダ、業務システム。どこに何部残っているかは、渡した側からは確認できません。手続きが終わったあとに削除されたかどうかも、基本的には相手を信じるしかありません。
そのうえでマイナンバーカードが厄介なのは、一枚に情報が揃いすぎている点です。顔写真・氏名・住所・生年月日、そして裏面には個人番号。他人がなりすますのに必要な材料が、ほぼ一枚で完結してしまいます。だからこそ、流出したときに「使いにくいコピー」にしておく価値があります。
透かしがやっているのは、まさにそこです。「〇〇銀行 口座開設用」と全面に入ったコピーは、別の会社に出しても不自然で、まず通りません。用途を書き込むことで、そのコピーが使える場面を一つに絞り込めるわけです。加えて、万一そのコピーが出回ったとき、どこから漏れたのかをたどる手がかりにもなります。
もちろん、透かしは暗号ではありません。画像編集に慣れた人が時間をかければ、ある程度は消せます。透かしにできるのは悪用の手間を上げて割に合わなくすることであって、絶対の防御ではない——ここは正直に書いておきます。それでも、何も書かれていないきれいなコピーを渡すのとは、リスクの大きさがまったく違います。
透かしに書くのは「提出先・用途・日付」の3点
入れる文言は、この3点セットで決まりです。
悪い例:
「コピー」「複写」
良い例:
「〇〇銀行 口座開設用 2026年8月17日」
3つそれぞれに役割があります。提出先を書けば、そのコピーは他社に出しても意味をなさなくなります。用途を書けば、同じ相手であっても目的外の手続きに転用しづらくなります。日付を入れておけば、何年も後に持ち出されたときに古いコピーだと一目で分かります。どれか一つでも欠けると、限定の効果はぐっと弱まります。「コピー」とだけ書かれた透かしがほとんど無意味なのは、どこにでも使い回せてしまうからです。
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無料・インストール不要。ブラウザ内で完結し、画像はアップロードされません。
透かしの入れ方(3ステップ)
ImageMarker を使えば、慣れれば1分もかかりません。
ステップ1:ツールを開く
スマホでもパソコンでも構いません。ブラウザで imagemarker.app/ja/ を開くだけです。アプリのインストールも会員登録も不要です。
ステップ2:画像を選んで文字を入力する
撮影したカードの画像を選びます。このとき画像は端末から出ません。処理はすべてブラウザ内で行われるので、そのまま読み込ませて大丈夫です。続けて「提出先 + 用途 + 日付」を入力します。
表示は繰り返し(タイル)を選び、画像の端から端まで広がるようにします。隅に一か所だけ入れたものは、トリミングされれば跡形もなく消えてしまうからです。不透明度は30〜50%あたりが目安で、透かしがはっきり読めて、なおかつ下の記載も判読できる状態に整えます。
ステップ3:ダウンロードして提出する
仕上がりを確認したら保存し、原本ではなく透かし入りのほうを提出します。ここで一点だけ強調させてください。ImageMarker は処理をすべてブラウザ内で行い、画像のアップロードは一切ありません。マイナンバーカードのような書類を、画像をサーバーへ送信するタイプのオンラインツールで加工するのは避けてください。流出を防ぐつもりの作業が、それ自体で新しい流出経路になってしまいます。
判別のしかたは簡単です。機内モードにしてから、そのツールで加工してみてください。オフラインのまま最後まで完了するなら、端末内で処理されている証拠です。
提出シーン別の実務メモ
透かしの入れ方は同じでも、「どの面を出すか」「番号まで必要か」はシーンごとに変わります。日本でコピーを求められることの多い3つの場面について、実務上の目安を整理します。
銀行の口座開設
普通預金口座については、マイナンバーの付番は現時点では任意とされています。窓口で番号を尋ねられても、告知しないことを理由に口座開設そのものを断られるのが通常、というわけではありません。一方で、証券口座やNISA、外貨預金、投資信託といった、税務署へ支払調書が提出される取引では、法令上マイナンバーの告知が必要です。
つまり、普通預金だけなら表面のみで足りることが多く、投資系の口座なら裏面まで求められると考えておくと整理しやすくなります。迷ったら「この手続きで番号確認は必要ですか」と一言確認してください。透かしの文言は「〇〇銀行 △△支店 口座開設用 2026年8月17日」のように、支店名まで入れておくと使い回しがさらに難しくなります。
携帯電話の契約
携帯電話の契約で行われるのは、犯罪収益移転防止法などに基づく本人確認です。マイナンバーの確認ではありません。したがって裏面(個人番号)は不要で、顔写真と氏名・住所が載った表面までで足ります。両面のコピーを求められたら、番号確認が必要な手続きなのかを確認してかまいません。
あわせて知っておきたいのが、携帯電話契約の本人確認が券面のコピーからICチップの読み取りへ順次移行している点です。対応している窓口やオンライン手続きであれば、そもそもコピーを渡す必要がありません。コピーを求められたときは「ICチップの読み取りでお願いできますか」と聞いてみる価値があります。
不動産の手続き(賃貸と売買)
賃貸契約で借主として提出する場合、必要なのは本人確認です。番号は関係ないので、表面のみ、または裏面の番号をマスキングしたうえで提出します。「〇〇不動産 賃貸契約用 2026年8月17日」といった透かしを入れておけば、その一件だけに用途が固定されます。
少しややこしいのが、お金を受け取る側に回るときです。不動産の売買代金や、法人へ貸している物件の賃料など、支払調書の対象になる支払いを受け取る場合は、支払う側の法人がマイナンバーの提出を求めてきます。この場合の番号提出は法令に基づくものなので、拒む種類のものではありません。ただし、それでも透かしを入れて出す判断は変わりません。番号が必要な手続きであることと、そのコピーが他へ流用されてよいことは別の話だからです。
やってしまいがちな失敗
- 透かしで番号を隠そうとする。透かしは下の文字が透けて見えるものなので、数字は拡大すれば読めてしまいます。隠したいならモザイクや塗りつぶしで完全に覆い、その上から透かしを重ねてください。順序が逆だと意味がありません。
- 濃くしすぎて再提出になる。氏名・住所・顔写真が読めなくなると、担当者から撮り直しを求められて二度手間です。守るための工夫が手続きの障害になっては本末転倒なので、不透明度は上げすぎないでください。
- 角に一か所だけ入れる。トリミング一発で消えます。必ず全面に敷いてください。
- 加工前の原本を一緒に送ってしまう。写真アプリで並んでいると取り違えが起きます。送信前にサムネイルで透かしの有無を確認する癖をつけておくと安全です。
- 送ったあとに何も言わない。手続きが完了したら、コピーの廃棄を一言お願いしておきましょう。確実ではありませんが、伝えてあるかどうかで扱いは変わります。
見せたくない項目はモザイクで隠す
番号や住所などをモザイク・塗りつぶしで隠せます。すべて端末内で処理します。
よくある質問
Q:透かしを入れたコピーは受理されますか?
A:氏名・生年月日・住所・顔写真がはっきり読める状態であれば、多くの提出先で問題なく受理されます。透かしは書類を読めなくするためのものではなく、そのコピーが何のために出されたのかを示すためのものです。心配であれば、提出前に「用途を記した透かしを入れてお送りします」と一言添えておくと確実です。
Q:透かしでマイナンバーを隠してもいいですか?
A:隠す目的なら透かしではなくモザイクや塗りつぶしを使ってください。透かしは下の文字が透けて見える濃さで重ねるものなので、番号のような数字は拡大すれば読み取れてしまいます。番号を見せたくない場合は、モザイク・塗りつぶしで完全に覆ったうえで、その上から透かしを重ねるのが正しい順序です。
Q:銀行の口座開設ではマイナンバーの提出が必要ですか?
A:普通預金口座への番号の付番は現時点では任意とされており、告知を断っても口座自体は開設できるのが一般的です。一方、証券口座やNISA、外貨預金など税務署へ支払調書が提出される取引では、法令上マイナンバーの告知が必要になります。手続きごとに扱いが違うので、迷ったら金融機関に「この手続きで番号確認は必要ですか」と確認するのが確実です。
Q:携帯電話の契約でマイナンバーカードの裏面は必要ですか?
A:必要ありません。携帯電話の契約時に求められるのは犯罪収益移転防止法などに基づく本人確認であって、マイナンバーの確認ではありません。求められるのは顔写真と氏名・住所が記載された表面までです。なお本人確認の方法は、券面のコピーからICチップの読み取りへ順次移行しており、対応している窓口ではそもそもコピーを渡す必要がありません。
Q:画像はアップロードされませんか?
A:アップロードされません。ImageMarker は処理をすべて端末のブラウザ内で行うため、画像がサーバーに送られることはありません。機内モードにしたままでも同じように動作するので、実際に確かめられます。
撮る前に、送る前に
マイナンバーカードのコピーを求められること自体は、暮らしている以上避けられません。ただ、そのコピーがこの先どう使われ得るかは、渡す側の一手間である程度は決められます。必要な面だけを選び、不要な番号を隠し、提出先・用途・日付を透かしで書き込む。慣れれば1分です。
運転免許証や健康保険証など、他の身分証にも同じ考え方がそのまま使えます。あわせて 身分証のコピーに透かしを入れる方法 もご覧ください。ツール選びで迷ったときは 書類の透かし入れツールの選び方 が参考になります。